位牌と過去帳③

位牌

こんにちは!真浄葬祭業務部の小川と申します。
前回は位牌の種類と注意点について説明させて頂きました。今回は過去帳についてより詳しく紹介させて頂きます。

過去帳の形状は折本と和本に分かれ、位牌と同じく戒名または法名、没年月日、俗名、死亡年齢、続柄が記されています。特徴としては布や黒檀や紫檀などの木を使った表紙でできています。
また内容には「日付入り」と「日付無し」があり、日付ありは一日から三十一日まで日付が入っており、めくる事で故人様の命日を確認し法要や読経などの追善供養する機会を作ります。日付なしの場合は死亡順に記入されて年表式のもので記録簿として使われています。
形式的には「一段構成」と「二段構成」があり、二段構成とは上段に戒名または法名で下段には俗名が入り、没年月日はどちらか一方に記入されます。
記入される機会としては位牌の置き場所がなくなり繰り出し位牌が満杯になりそうな時五十回忌などの節目でまとめておき、お仏壇にしまい月命日には見台に飾っておきます。

私が調べて驚いたのは記入していいのはお寺様だけという決まりがなく、ご家族様や縁のある方が記入してもいいということです。しかし注意していただきたいのは鉛筆やペンで記入すると劣化して文字が消える可能性があるため長く保たれる墨と筆で記入して後世に残しておくべきでしょう。

故人様の魂が宿り供養するための場所である位牌と過去帳は礼拝仏具として欠かせない存在であり、予め知識がないとすぐには本位牌などを決めて作ることは難しいと存じます。その時はぜひこのブログがお役に立てれば幸いです。

位牌

位牌と過去帳②

位牌

こんにちは!真浄葬祭業務部の小川と申します。
前回位牌と過去帳の大まかな説明をさせて頂きました。今回は位牌の種類と注意点を紹介させて頂きます。

位牌には大きく分けて三種類があります。
内位牌、野位牌、本位牌です。

内位牌は仮位牌または白木位牌と呼ばれています。
故人様が亡くなってすぐに作られて枕飾りやご葬儀に飾られているもので、前回紹介させていただいた通り戒名や没年月日などが記されています。また四十九日忌まで亡くなった人は行き先が決まらず忌が明け過ぎてから成仏すると考えられておりそれまで仮の位牌として祀られ、四十九日忌で本位牌に切り替え仏具店やお寺に供養してもらうことで故人様が亡くなった後の慌ただしい日常に一つの区切りをつけるという意味合いが込められています。

野位牌は内位牌より小さめの白木でできた位牌であり、地域によって違いはありますが、棺と共に火葬したり、お墓に名前が刻まれるまでの代わりとしてお墓に置いておいたりする役割があります。

本位牌は四十九日忌明けを迎え仏壇に祀られ、末長く安置される重要な位牌です。
白木位牌とは違い黒く塗られ金箔や金粉で装飾された漆位牌や、黒檀(コクタン)などの耐久性がある木を使用した唐木位牌、檜や桜などを使った天然木位牌、最近では銘木やクリスタル製・ガラス製でできたおしゃれなモダン位牌などがあります。このように本位牌の種類は豊富で、材質や形状に違いもあって故人様に合ったものを選ぶことができます。

本位牌には注意点が二つあります。
一つ目は、四十九日法要を迎えてからの白木位牌から本位牌への開眼供養・魂の移し替えを行うことです。序盤に申し上げたように位牌は故人様の魂の依代であるため行わず処分してしまう粗末な行為はしてはいけません。
二つ目は、浄土真宗では宗派によって本位牌を使わないということです。なぜなら亡くなった方は阿弥陀様の功徳によってすぐ成仏するという教えがあるからであり、四十九日忌を執り行った後本位牌は引き取られるだけになります。ただしあらかじめ相談をしておくことで、本位牌を作るための開眼供養を行なってくれる寺院もあります。
ちなみに後に法名を残す方法としては基本的には前回紹介した過去帳を使います。通称お東と呼ばれる真宗大谷派ではお仏壇にかけることができる法名軸もあります。

位牌
 
これらの位牌とは別に繰出(くりだし)位牌があります。
繰出位牌は、一般的な位牌よりも分厚く箱状に作られており、上部が開けられるようになっていて中には10枚程度の木札が入れられています。故人の戒名や没年月日を書き込むための木札です。供養すべき先祖が増えて置けなくなった位牌を整理するために、繰出位牌を使うのです。木札一枚一枚に、元からある位牌に書かれた先祖の戒名や没年月日を書き込めば、元からある位牌はもう必要ないのです。

いかがでしたでしょうか。
位牌だけでも多様な種類と役割を持っているのです。次回は過去帳について説明させて頂きます。

位牌と過去帳①

仏壇

こんにちは!
今回のブログを担当させていただくのは真浄葬祭 業務部の小川です。どうぞよろしくお願い致します!

今回私が取り上げるテーマは位牌と過去帳についてです。
これらの名称を聞いて皆さんはどのようなものを思い浮かべますか?私はどちらも仏壇に飾られているものというイメージがあります。以前、親戚が位牌に戒名を書いてもらう際、本名の一部と本人が好きだった雪という漢字を入れてほしいとお寺の方に相談していたことも記憶に残っています。
では、その戒名などが書かれている位牌と過去帳はどのような役割を担っていて、形や書き方にどんな種類・法則があるのかを調べていきます。

まず位牌の主な役割は、故人様の魂の依代(よりしろ)つまり故人様そのものとして扱われ、供養される礼拝仏具であることです。またこれらは仏壇に飾られるのが基本であり、位牌が故人様・ご先祖様の魂の帰る場所であれば、お仏壇は本尊をお祀りするだけでなく彼らの仮の家ということにもなるのです。

仏壇

位牌の特徴として、先ほど申し上げたように仏教の戒律を重んじている修行者に与えられる「戒名」、あるいは浄土真宗の阿弥陀仏の教えを聞き守る者に授ける「法名」のどちらかが主に記されています。その上に各宗派の本尊や菩薩の証である「梵字(ぼんじ)」、裏側には故人様の生前のお名前「俗名」とお亡くなりになられた「没年月日」、亡くなった時の年齢「没年齢」が書かれます。

過去帳は位牌と同じ内容がページごとにまとめて記され、先祖代々の記録が残されているため家系図の意味合いが強く、仏壇や納骨先に飾られていることがほとんどです。位牌の数が多く置き切れなくなった際処分・供養をしていただいて、その戒名などを過去帳にまとめ永続的に保管する役割もあるのです。

位牌と過去帳の基本的な役割と記されているものの内容はお分かりいただけたでしょうか?
では次回位牌の種類と役割の違いについて紹介させて頂きます。