位牌と過去帳②

こんにちは!真浄葬祭業務部の小川と申します。
前回位牌と過去帳の大まかな説明をさせて頂きました。今回は位牌の種類と注意点を紹介させて頂きます。

位牌には大きく分けて三種類があります。
内位牌、野位牌、本位牌です。

内位牌は仮位牌または白木位牌と呼ばれています。
故人様が亡くなってすぐに作られて枕飾りやご葬儀に飾られているもので、前回紹介させていただいた通り戒名や没年月日などが記されています。また四十九日忌まで亡くなった人は行き先が決まらず忌が明け過ぎてから成仏すると考えられておりそれまで仮の位牌として祀られ、四十九日忌で本位牌に切り替え仏具店やお寺に供養してもらうことで故人様が亡くなった後の慌ただしい日常に一つの区切りをつけるという意味合いが込められています。

野位牌は内位牌より小さめの白木でできた位牌であり、地域によって違いはありますが、棺と共に火葬したり、お墓に名前が刻まれるまでの代わりとしてお墓に置いておいたりする役割があります。

本位牌は四十九日忌明けを迎え仏壇に祀られ、末長く安置される重要な位牌です。
白木位牌とは違い黒く塗られ金箔や金粉で装飾された漆位牌や、黒檀(コクタン)などの耐久性がある木を使用した唐木位牌、檜や桜などを使った天然木位牌、最近では銘木やクリスタル製・ガラス製でできたおしゃれなモダン位牌などがあります。このように本位牌の種類は豊富で、材質や形状に違いもあって故人様に合ったものを選ぶことができます。

本位牌には注意点が二つあります。
一つ目は、四十九日法要を迎えてからの白木位牌から本位牌への開眼供養・魂の移し替えを行うことです。序盤に申し上げたように位牌は故人様の魂の依代であるため行わず処分してしまう粗末な行為はしてはいけません。
二つ目は、浄土真宗では宗派によって本位牌を使わないということです。なぜなら亡くなった方は阿弥陀様の功徳によってすぐ成仏するという教えがあるからであり、四十九日忌を執り行った後本位牌は引き取られるだけになります。ただしあらかじめ相談をしておくことで、本位牌を作るための開眼供養を行なってくれる寺院もあります。
ちなみに後に法名を残す方法としては基本的には前回紹介した過去帳を使います。通称お東と呼ばれる真宗大谷派ではお仏壇にかけることができる法名軸もあります。

位牌
 
これらの位牌とは別に繰出(くりだし)位牌があります。
繰出位牌は、一般的な位牌よりも分厚く箱状に作られており、上部が開けられるようになっていて中には10枚程度の木札が入れられています。故人の戒名や没年月日を書き込むための木札です。供養すべき先祖が増えて置けなくなった位牌を整理するために、繰出位牌を使うのです。木札一枚一枚に、元からある位牌に書かれた先祖の戒名や没年月日を書き込めば、元からある位牌はもう必要ないのです。

いかがでしたでしょうか。
位牌だけでも多様な種類と役割を持っているのです。次回は過去帳について説明させて頂きます。